AIでキャリアを作る<キャリアプランについて考える 2025>

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これは キャリアプランについて考える 2025 の記事です

 前回の記事で、AI――特にLLMによってITエンジニアを取り囲む状況が大きくかわる。そして、キャリアも大きく変わっていくであろうことを書いた。「じゃあ、それを受けてどうするの?」ってのが、今回の記事。タイトルでわかるように、LLMを使える人材になっていくほかないだろうねー。

AIを使えるようになっていくには

 さて、「AIを使えるようになっていく」とは具体的には、どうすればいいのだろうか?大きなポイントは、3つあると思う。

  1. アーキテクトになる・アーキテクト的な視座を持つ
  2. 広い知識の獲得
  3. 新しいツールを触る

 今回は、1の「アーキテクトになるという」という話をしていく

アーキテクトになる・アーキテクト的な視座を持つ

 ここでいうアーキテクトとは、ソフトウェア全体のアーキテクチャを決定する人。ほぼ重言で何を言っているのか意味不明だが、つまりソフトウェアの方向性から現実的な技術構成を導きだす人のこと。
 自分たちのやりたいことをしっかりと把握し、それを形にするための意思決定を行うという、なかなかにハードな立ち位置だと思う。コーディングみたいにコンパイラやランタイムが、正解を教えてくれるわけではない。常にトレードオフと、胆力での判断しかない世界だろうから。

なんでアーキテクト的な視点が必要なのか

 なんでアーキテクトを目指していかないといけないのか。これはLLMによって、コーディングのあり方が大きく変わるからだ。私の考えでは、コーディングの中心にはLLMになっていくのではないか、と思っている。前の記事でお見せした通り、LLMのコーディングの能力は高い。
 となると、やっぱりLLMにお任せした方が、コーディングは速い&ラクという展開になりそう。

 そうすると、「どうやってLLMに指示を出すのか」という話になる。ここでアーキテクト的な発想が、求められるように感じる。問題を見定めて、決定すること。これがITエンジニアの仕事の中心になるのでは?

 自分たちが目指す方向性の確定や、ビジネスにおける製品のあり方など、これらはAIに相談することができても、決定を下すことはできない。 この大元の「なんでこの製品は、必要なのか」の目的と、「どのように製品があるべきなのか」の完成図は、人から生み出すしかない。

ITエンジニアの意思決定が大切かも

 ITエンジニアに求められるスキルが、これらの意思決定方向に寄っていくような気がする。顧客や市場の需要を拾い上げて、ビジネス的な勝算を考える。これらの意思決定から発生する、エンジニアリング的要件をうまく自然言語化する。最後のエンジニアリング要件を言語化するところに、ITエンジニアの価値が出てくる。つまりIT的な背景知識があることで、より正確な言語化を行うことができる。これはすなわち、うまくLLMを活用できることでもある。

LLMを上手く使うには、下準備が重要

 長々と書いたけれども、つまりは「そもそもLLMを使う前の準備」ができないと上手くAIを活用することは難しいって話。そしておそらく、その為には意思決定層の能力が必要なのではないかと推察している。
 そこには、適切な分析能力や抽象化能力が求められるのだろう。たぶんDDD的なアプローチが、自然とできるのが大切な気がする。結局、LLMは銀の弾丸ではないのだろうなぁ。

長い旅路――アーキテクト

 ここまで、さも「私、アーキテクトなれます」みたいな論調で書いてきたけども、全くもってそんなことはない。 前述の通り、アーキテクトの仕事には絶対的な正解はないだろう。そこにあるのは、ある程度パターナリズムされた前例と、己のバランス感覚のみ。
 これを正確に判断できる領域に、新卒一年目のペーペーが瞬時に到達し得るだろうか?否。圧倒的に経験不足。

 例えるなら、1.5km走でヘロヘロな私がいきなり富士山に挑戦する感じだろうか。「待て、落ち着け。体力を作って、もっと低い山からはじめろ」と、ツッコミが入ることだろう。自分一人が登山中に苦悶するだけならまだまし。いよいよ遭難するとなると、捜索隊など周りの人にも迷惑がかかる。
 経験者でも遭難し得るのだから、素人が道に迷い途方に暮れるのも、さもありなん。まずは、基本的な経験が重要だと思う。

 全く同じツッコミが、「私は、アーキテクトになれる」にも入る。山の気候とか低酸素とかよくわからんです。でも、やる気だけはあります。危なすぎる。
 ということで、私がまず取り組むべきは「アーキテクトを目指して、先輩たちから学ばせていただく」ってことだろうと思う。基本的な事からコツコツと。遠回りに見えて、これが一番話が早いと思われる。全く面白い結論ではないけど。

 またアーキテクトのバランス感覚には、幅広い知識が欠かせない。ここの話は、次の記事でしていこうと思う。

読んでいただき、ありがとうございます🤗
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